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つるおかの恋人

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すっかり忘れていた。
私には東京に行く時用のバッグがあって、その中にしまい忘れていたこの「つるおかの恋人」と言うアーモンドクッキー。
東北新幹線の中で鶴岡帰りの女の子、ひかるちゃんから頂いたお菓子だ。ひかるちゃん、いや、ひかりちゃんだったかもしれない。

思えば15年以上前、恵那に遊びに来ての帰り、じっきー和尚から宿題が出された。「電車の中で誰かに声をかけ話をする事」
この宿題、レポートを提出する事もなかったので、ペケにはならなかったけど、私は結局、誰にも話しかけられなかった。
ふう〜新宿に着いてしまった時の罪悪感。この話はなかった事としようと言い聞かせる。

人見知りなので自分から声をかける事はなかなか出来ない。神田昌味という講談師をかぶっていると、まぁ出来るようになったけど。
でも、声をかけられると水を得た魚のように喋り出す。

宇都宮から東京までのわずか40分位の身の上話。
こういう時に赤ちゃんがいると、声をかけられやすい。かわいいですね〜から始まり、
私、子供を産む自信が無いんですとの告白から、お母さんの話、生い立ちの話。

その私の答えは自然分娩の出産話と出産から得た思いの数々。

一体何人子供さんがいるんですか?との質問。そうであろうそうであろう。何人??であろう。

そんなこんなであっという間のひとときを過ごし、お話して下さったお礼にと頂いたお菓子。

40分の講演料(^_−)−☆つるおかの恋人。

私が何者で、どこに住んでてとも聞かれなかったので、もう会う事はないだろう。せめて、ここに記し、良い思い出としよう。いつしか彼女が結婚と向き合い、やがて、子を育てる事は苦しいばかりではないんだと、身をもって育ててくれた母の心情に気付く事を願って!
by hinihiniaji | 2017-06-25 00:28


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