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大久保から新宿へ

 12月22日(水)
 東京で1番初めに住んだのは大久保だった。何故なら、師匠の住む近くにという考えから、同じ「北新宿」、元の柏木、という住所を選んだ。まだ18歳。親心として師匠の近くの方が安全だと思ったのだろう。「灯台下暗し」とは良く言ったものだ。残念でござった。
 
 先日、久し振りに大久保駅で降りた。もう10年も呼んで貰っている仕事があったからだ。今年は有難いことに2日連続。それに、調度寄席とぶつかったので、運良く出演出来た。
 初日は広小路亭を終え、御徒町から大久保へ向かった。帰りは池袋演芸場に行くので新大久保の駅から乗った。例年通り1日だけだったら気が付かなかったろうが、2日目、仕事を終え、東京駅に向かう為、大久保駅から新宿に出ようとして、懐かしい思い出がよみがえってきた。
 そう、師匠のかばん持ちをして階段を上がり、師匠に付いてホームを歩く。師匠は決まって時計の下で電車に乗った。「昌味くん、知ってるかい?ここが新宿駅で降りるのに便利な場所なんだよ」そういって師匠はニヤッと笑った。「そうなんですかー!」と驚き、果たして新宿駅で階段の前にピタッと電車が止まった時は感激した。「師匠は効率いいなぁ」とやけに感心したものだった。それからというものは、負けじと私も時計の下を目指した。タイミング悪く乗れなかった時は、電車の中を歩いたりした。
 懐かしいなぁ!
 師匠は良く新宿の末広亭に出る時は地下鉄を一駅利用したが、必ず丸の内線の中を歩いていた。そんな師匠に付いていたからだろうか、私も乗換えを効率良くする癖が付いてしまった。
 最近は乗り換えマップがあって便利になった。地道に乗って調べ上げたのが、普通の主婦だとか。暇は金なり。
 
 昨日と言うか今日と言うか、師匠の夢を見た。
 無くなってから何度も夢を見たが、起きるとなんだか師匠が生きているような錯覚を覚える。夢の中で師匠は、どこかのレストランでご飯を食べていた。そこへ私が迎えに行く。約束の時間に行くのだが、師匠は食べ終わり、外に出、ベンチに座り、早い時間から待っていた。 「師匠スミマセン」
 なんだか又謝っていたなぁ!
 師匠、ほんとならもうすぐお宅の大掃除ですねー!
by hinihiniaji | 2004-12-22 23:08 | 講談


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