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こだわりの緑色

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 講談師になると決めた時、大きなかばんが必要だった。着物を入れ、草履、師匠から頼まれた荷物も全部入るような大きなかばんが。
 初めてのかばんはどこで選んだのだろう?どこか新宿辺りか...サブナードかな?店の外に雑に下げてあるような、安物を手に入れ満足だった。そのかばんからスタートした。そのかばんの色が緑色!ペラペラのナイロンの肩から下げるタイプの旅行用かばん。軽くって大きくて重宝した。
 穴が空き、汚れてしまい、次のかばんはボストンバッグ。頂き物だけど、前よりは渋めの濃いめの緑色。ちょっとおじさんぽかったけど、贅沢は言っていられない。二代目、頑張ってくれた。
 三代目は好きなブランド物でモスキーノ。当時流行っていた。モスキーノのロゴででかく刺繍され、ちょっと光沢があり、綺麗な緑色。やっと、いい物を持てた気がした二つ目時代。妹のきよちゃんと宇都宮のロビンソンで買った。今はもうロビンソンデパートは無い。
 そうして、時代は変わり、世の人々がコロコロ転がす方が楽でいいと気付き始めたキャリーバッグ。アーミーチックな暗い緑色のキャリーバッグとしては大きいサイズ。でも、ナイロンで出来ているので軽かった。池袋東口にあるお店で買った。池袋演芸場に行く前の時間つぶしで見かけ、即買いした物だ。今のように誰しもコロコロ転がしてはいなかったので、「大荷物だねー旅行?どこへ行くんだろう?どこから帰って来たんだろう?」と世間の目は特異な者を見るといった感じだった。寄席の中でも奇術の先生方を除き、まだまだ出回っていなかった。けっこうコロコロ時代の走り、だったように思う。今ではほとんどみんな転がしている。みんな肩にかけ、重さがずっしり来る辛さを分かっていて、転がす楽さを徐々に知って行った。
 五代目は日本橋三越でお客様からのプレゼント!ショルダーバッグとお揃いの持ち手だけ皮、というちょいリッチ、あとナイロン、だけど品のある緑色バッグだ。これは今でも愛用中!だけど、小さな穴も空いて来た。そろそろもう少し大き目のバッグが欲しいなーと思っていたら、思わぬ所で六代目と出会った。恵那駅前にあるスーパーバロー。2月いっぱいで閉店すると言う。そして改装、増築され新たに生まれ変わる。2Fにある「あかのれん」も売り尽くしセール。ここで買おう少などと思って買い物に行った訳でなく、子供たちの服でも見ようかと、次女と義母と行ったらば...発見してしまい、まさかのマリ・クレール半額。思い気って買おうと、レジ迄持って行くと、義母が買ってくれると言う。「いやいや、子供たちの物だけ買って下さい」と言うと、「えーて、えーて」(いいから、いいから)と、何度も言ってくれるので、「じゃあ甘えちゃおうっかなー」「甘えて甘えて」とっ!私、甘え上手!!
 と、言う訳で六代目緑色かばんと出会い、この上京のお供となった。そして五代目はひたすら宅急便用となるだろう。
by hinihiniaji | 2010-03-11 22:12 | 講談


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